2022.12.05

【報告】コミュニケーション力を育む演劇ワークショップ@東松島高校

【実施先】宮城県立東松島高等学校 
【科目】希望者のみ、任意活動の一環として(参加者人数:生徒3名、先生10名)
【ファシリテーター】大河原準介
【コーディネーター】及川多香子

このプログラムはRISTEX(社会技術研究開発センター)が進めるSDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラムの一環で行っているものです。東北大学大学院医学系研究科教授虫明元先生が主体となり、当団体が協力団体として関わっています。事業タイトルは「演劇的手法を用いた共感性あるコミュニティの醸成による孤立・孤独防止事業」となっており、具体的に当団体は演劇的手法を用いたコミュニケーションワークショップを行い、研究過程の中でアートの視点からアドバイスや提案を行っています。

仲間集めゲーム、生まれた月で集まる

ワークショップを実施した東松島高等学校は、宮城県で最初に開校した3部制・単位制高校です。普段から演劇活動が盛んで、コロナ前は毎年授業の一環として、生徒が出演やスタッフを担う、演劇の上演を行っていたそうです。
今回のワークショップはお芝居を作り、上演を経験するものとは違い、演劇の手法を使って、人との関わり合い方を体験するものだったので、これまでの取り組みとは少し違っていたかもしれません。任意活動として企画され、生徒3名が希望して参加してくれました。

ワークショップの冒頭は、メインファシリテーターの大河原準介さんが自己紹介したあと「演劇は自由です、たくさん正解があります」とコメントがありました。初めて行く実施先では特に、「正解がたくさんあること」や「間違いがないこと」だから勇気をもって自分のアイディアを発言したり、提案してみようということを声がけします。
今回のワークショップの目的は「自分を安心して表現する場づくり」だったので、ワークショップの導入部分に特に時間をかけました。

いくつかのシアターゲームを通してウォーミングアップをした後、メインワークであるシーン創作をグループに別れて行いました。5名程度のグループで、くじ引きで引いたお題に沿ってシーンを創作します。

先生チームの発表のようす

シーン創作はその過程の中に、人との関わり合いを経験する要素がたくさん含まれています。
→短時間で作り、必ず最後に発表の時間があること
→短時間で作り上げるためには、グループの一人一人が少しずつ貢献する必要があること
→貢献するためには、グループの中で、自分で役割をみつけること
→グループはその時限りのすぐに解消されるものであることから、たとえうまく関わり合えなくても問題ないこと
→そのため、失敗を恐れずに取り組めること

高校生となると、受験を経験し、正解のある学びに割く時間が多い傾向にあります。また「照れ」や気恥ずかしさから学校の仲間と「表現」を見せ合うことに抵抗がある生徒も少なくありません。

今回の実施では先生方の参加が多かったのですが、生徒たちも臆することなく意見やアイディアを出し合い創作に参加していました。
次回は最終回となります。どのような生徒たちが参加してくれるのか、今から楽しみです。(及川)