2022.08.24

【報告】50歳から輝くステージ〜ダンスワークショップ

8月10日・11日の2日間、英国・スコットランドを拠点に活動するダンサー・振付家の小林あやさんを仙台に招聘し、ダンスワークショップを開催しました。

参加者は50歳以上限定!PLAY ART!せんだいが2019年度から取り組む、50歳以上の人たちとの創作活動シリーズの一環です。

 

会場の青葉の風テラスに集まった、この日初めて会う参加者の人たち、最初は少し緊張ぎみな雰囲気もありましたが、あやさんの柔らかい語り口と笑顔、そして身体をほぐしていくワークに、徐々にリラックス。

まずは皆さん、名前と今日の気分をお天気に例えて自己紹介。それから、椅子に座りながら身体を動かしていきます。

足指を開いて、笑って、だんだん身体の上のほうに動きを移して、肋骨や内臓のほうも意識して。

私たちの身体は、どこもかしこも丸いとあやさん(本当ですね!)。自分の身体の輪郭も確かめるように、身体全体を触っていきます。

次に、空間を広く使って、皆で握手をしていきます。相手をケアしながら、タッチの瞬間を感じていきます。

ひじを使って握手、肩を使って握手。だんだんと、動きも作りながら、空間や相手も意識しながら、それらを全部ミックスして、タッチしていきます。柔らかく、いろんな背の高さも感じて、背中合わせでくるりと回って等々。

徐々に、身体、動き、呼吸、意思…それらが有機的に紡がれていくようです。

2日目は、”世の中が四角でできている”と仮定して、四角く歩いてみたり、空を流れる雲を眺めて動きをみて、雲になって歩いてみたりもしました。

休憩のあと、あやさんが用意してくれたアザラシの映像を皆で観ます。海の中で自由自在に身体をくねらせて泳ぐアザラシ。アザラシは、目が頭の先にあり、獲物などを見つけるとすぐ向かっていけるとか。頭の先から背を通って尾びれまで、滑らかに動かし、水中をまるで踊るように滑っていく様子は、観ていてなんだか憧れも覚えます。

アザラシの動きを探るところから始めて、後半は、より自由に、音楽も感じながら踊っていきます。

会場の青葉の風テラスの大きなガラス窓から入る光、木々の緑の揺らめきも浴びながら、とても美しいシーン、ユニークなシーンがいくつも立ち上がっていました。

 

2時間と少しという短い時間でしたが、からだ、呼吸、動きを感じ、他者と触れ交わり、空間の中に流れや形をつくり、自分の”今ここ”をつかむような、とても濃密な体感がありました。なぜ人は踊るのか?ということがまた1つ分かったような感じもします。

 

最後は、あやさんがイギリスからお土産に持ってきてくれたショートブレッドをいただきながら、参加者の皆さんの感想をシェアする時間も。80代の参加者の方は、時々家のカーテンを閉めて、好きな音楽をかけて1人で踊るのよとおしえてくれました。参加者の皆さん、これからも、アザラシのように、雲のように、光のように、時々踊っていきましょうね。

文 : PLAY ART!せんだい 大河原芙由子