2025.11.14
【報告】文化芸術アウトリーチに関する実態調査委員会開催レポート①
令和7年度仙台市市民協働事業提案制度に採択された「文化芸術アウトリーチ活動普及に向けたコーディネーター育成及び環境整備事業」の一環として、仙台市内の文化芸術アウトリーチ活動に関する実態調査を、有識者による委員会にて行いました。今年6月から3回の開催があり、11月7日に最終回を迎えました。
実態調査委員会委員の皆様
委員長 菅野幸子(リサーチャー)
委員 柴崎由美、髙橋里佳(特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン)
委員 千田優太(一般社団法人アーツグラウンド東北)
委員 八巻寿文(国境なき劇団代表、せんだい演劇工房10-BOX 元工房長)
協働課
仙台市文化振興課、教育局教育指導課
進行や事務局
及川多香子、タムラミキ(PLAY ART せんだい)
第1回調査委員会開催の様子

開催日時:6月6日
初回の調査委員会は出席者の顔合わせや事業趣旨の説明の後、そもそも「アウトリーチ」とはどのような活動を指すのか?言葉の定義について議論が及びました。「アウト」外に、「リーチ」届けるの言葉から来ているアウトリーチは、文化芸術の分野においては例えば、コンサートホールや劇場から外にアーティストが出向き、劇場やホールに来ることができない人や、これまで来たことがなかった人に対して、アートプログラムをを押して芸術鑑賞に機会の提供を行う、いわばプログラムの「出前」という認識が強いのではないでしょうか?
しかし近年、届ける側や受け取る側が多様化し、更には目的も届ける側によって様々になってきました。特に東北においては、東日本大震災後に、多くのアーティストが被災した人々にアートを届けるため避難所や仮設住宅などあらゆるところで演奏や演技を行ってきました。
委員会では「アートへの敷居を低くする活動、それらは全てアウトリーチなのではないか?」「アートや文化芸術、もしくは芸術文化、それぞれの言葉の使い分けはどのようなものか?」など、言葉の定義について話し合う場面が多くありました。調査委員会のメンバーは当団体とは長く付き合いのある人たちばかりですが、よく使う言葉一つをとっても、市民に広く投げかける今回のような調査において改めてその言葉の背景を探ってみると、ちょっとずつズレがあり、お互いの考え方をすり合わせるだけでも時間がかかりました。ですが、それが非常に面白い。
最終的には、アートを届けるというイメージが強いアウトリーチ活動ですが、「敷居を下げる」というニュアンスが強いことがわかりました。それをどのような言葉を使って市民に伝えるのかさらに議論が必要となりました。
後半では、夏に実施するアンケート調査の項目について、議論が広がりました。参考にしたのは一般財団法人地域創造が令和5年に実施した「地域文化施設におけるアウトリーチ・ワークショップの成果や効果にもとづく今後の展開に関する調査研究」報告書です。設問についても仙台独自の視点について意見が多くありました。例えばアーティストがアウトリーチ活動を行っていた時期については震災前後の変化がわかるような設問にしたり、活動財源についてデータがとれるような設問も追加されました。
またコーディネーターの役割についても調査が必要という意見がありました。アウトリーチの実施先とどのように繋げているのか?実施後のフィードバックを行っているか?などです。
またアンケートを配布する調査先リストのリストアップも行い、最終的には約380団体がリストアップされました。アンケートはWEBで公開されたので、リストアップ+αが回答者の母数となりました。
第1回目から言葉の定義などを確認することができ、内容の濃い議論が展開されました。(及川)